コンタクトジャグリング(Contact Juggling)
- 2019.07.16
- 演目紹介
コンタクトジャグリングとは
コンタクトジャグリングとは、物体を体に接触させたまま行うジャグリングのことです。コンタクト(contact)というのは接触という意味があります。
そもそもジャグリングとは、物体を巧みに意のままにあやつることを指します。
以下の道具はすべてジャグリングの道具です:ボール、ディアボロ、シガーボックス、デビルスティック、ポイ、スタッフ、エイトリング、フープなど。
マジックは技術よりも不思議さで魅せるのに対して、ジャグリングは技術そのもので魅せます。
器用さ、巧みな体の動き、技の上手さを見せるのがジャグリングです。
コンタクトジャグリングの話に戻ると、コンタクトジャグリングは体から離さないジャグリング全般を指すので、道具はボールではある必要はないのですが、一般的にはコンタクトジャグリングはボールを使ったもの、特に水晶玉(クリスタルボール)を使ったものを指すことが多いです。
他のコンタクトジャグリングは道具の名前をつけて、例えばフープを使ったものだとコンタクトフープと呼ばれたりします。
他にもコンタクトスタッフ、コンタクトポイなどがあります。
以下ではボール、特に水晶玉を使ったコンタクトジャグリングのことをお話します。
「水晶玉のマジックすごかったです」などと言われることも多いのですが、あくまでもジャグリングなので技術を見せるものです。
器用にあやつっているだけなのですが、魔法のように不思議に見えるので、マジックと言う人の気持ちもわからなくもないです。
あやつっているようで水晶玉が意思を持って動いているようにも見える不思議さはコンタクトジャグリングの魅力の一つです。
コンタクトジャグリングの技の種類
コンタクトジャグリングは1個の水晶玉だけで行うシングルボールコンタクトジャグリングと2個以上の水晶玉を使うマルチボールコンタクトジャグリングがあります。
シングルボールコンタクトジャグリングの技を大別すると以下の3種類からなります。
- アイソレーション(水晶玉を空間の1点に固定する技)
- ボディロール(体の上を転がす技)
- ストール(体のどこか1点でバランスをとって止める技)
アイソレーション
アイソレーションとは空間に物体を固定して動かないようにあやつる技のことです。
よく「浮いてる!浮いてる!」と言われるのはこの技です。
実際には浮いているわけではないのですが、通常はありえないように、空間にピタッと固定されていることで、浮遊感を感じられます。
水晶玉だと背景が透けて見えることで、より一層固定感が増し、どこで持っているのかわからないという感覚が増し、結果として浮遊感がアップします。
手のひらの上を円を描くように転がすアイソレーションは、パームサークルと呼ばれます。
片手の親指ともう一方の手の人差し指だけで支えながら行うアイソレーションは、エニグマと呼ばれています。
コンタクトジャグリングをされる方へのアドバイスとしては、なるべく水晶玉が観客に見える部分を大きくする方が浮遊感がアップするということ。
私自身も研究し続けていますが、どの角度から見られると不思議に見えるか、どの持ち方をすると不思議に見えるか、どのような速度・テンポ・リズムで動かすと不思議に見えるかなどを研究してみてください。
ボディロール
ボディロールとは体の様々な部位を落とさないように転がす技のことです。
手の平、手の甲をはじめとして、腕、胸、首の後ろ、頭など体の様々な場所を転がす技はすべてボディロールと呼ばれます。
手の平と手の甲を行ったり来たりする技はバタフライと呼ばれています。
腕の上を転がすのはアームロール、頭の上を転がすのはヘッドロールと呼ばれています。
ボディロールをしながらアイソレーションを行うという技もあります。パームサークルもその一種と言えなくもないです。
体にレールを敷いてあるわけではないのでいつ落ちてもおかしくない状態で行う技です。
コンタクトジャグリングをされる方へのアドバイスとしては、バランスを取り続けるという感覚をもって練習すると上達しやすいということです。
バランスをとりやすいルートを明確に線でイメージして練習すると上達しやすいです。
ボディロールを行う始点、終点、中継点などでストール(後に説明するピタッと静止させる技)を練習するとバランスをとる感覚も身について、ボディロールも上達します。
あとは、分割できるところは分割して練習すると上達しやすいです。
ストール
ストールとは体のどこか1点でバランスをとってピタッと静止させる技のことです。
手の甲を上に向けて指の上で静止させる技をクレイドルと呼びます。
ひじの内側で静止させる技はインサイドエルボーストールと呼ばれます。
様々な技を行う構成の中で、ストールは緩急をつけるためにも必ず必要な技になります。
ボディーロールから突然ピタッと止めてストール、ストールで止まったかと思えばそこからボディロールがはじまって激しく動き出す、ストールから投げてまたストール、ストールからアイソレーションを始めるなど様々な流れが考えられます。
練習方法としては、気長にテレビを見ながら練習するのがオススメです。一瞬でバランス感覚が身に付くということはないので、長い目で練習してみてください。
バランス感覚が身に付いたか確認をしたり、それ自体練習にもなる方法としては、ストールしたまま足を動かしてゆっくり体を360度回転させることです。
マルチボールコンタクトジャグリングの技は大別すると以下の4種類に分かれています。
- パームロール(手のひらの上で水晶玉を動かす技)
- アイソレーション(水晶玉を空間の1点に固定する技)
- ボディロール(体の上を転がす技)
- ストール(体のどこか1点でバランスをとって止める技)
パームロール
パームロールとは手の平の上で水晶玉を動かす技のことです。
マルチボールコンタクトジャグリングといえばこの技をイメージする人も多いと思います。
これをボディロールに含めてもいいのですが、分けて考える人も多いと思うので分けました。
片手の上で回す、両手を使って回す、片手の技を両手で行う、片手の技をやりつつ途中で反対の手に移すなど色んなパターンがあります。
技によっては無理なのですが、より美しく見えるのは水晶玉どうしが接触せずに一定の速度で動かし続けるというやり方です。(セパレートと呼ばれています。)
アイソレーション
マルチボールになるとアイソレーションは1個だけを空間に止める技、一部の玉を空間に止める技、全部の玉を空間に止める技など色んなパターンがあります。
シングルボールのときと同じようにアイソレーションする技やパームロールをしながらアイソレーションを行う技などがあります。
ボディロール・ストール
マルチボールでは、手の平以外の体の上を転がす技をボディロールと言います。
ストールは1個のときと同じで体のどこかでバランスをとってピタッと止める技のことです
マルチボールではボディロールもストールもあまりやっている人がいないのでマニアック!と言われたりします。
コンタクトジャグリングで使う道具
ジャグリングショップ
私がよく使っているジャグリングショップは以下の2店舗です。
急がないときはハジャで買って、急ぐときは実店舗のあるMDFで買う感じです。
MDFは大阪市池田市に実店舗があり、営業時間はWEBサイトに書かれています。
関西唯一のジャグリングの実店舗なので、色んな道具を見に行くだけでも覗いてみてはいかがでしょう?
MDFにはマジック道具も置いていますので、ジャグリングに限らず色々見てみるのもオススメです。
関西しかわからなくて申し訳ないのですが、関東だとラッドファクターとかナランハとかですかね。
Amazonとか楽天でたまにめちゃくちゃ安いのが出品されていたりするので、それを探してみるのもアリです。
クリスタルボール(水晶玉と呼んでいるやつ)
コンタクトジャグリングで一番使われているのがクリスタルボールです。
水晶玉と呼んでいる透明の玉のことです。
本物の水晶玉ではなくアクリルでできている玉なのですが、透明であることで浮遊感がアップします。
色付きのクリスタルボールもあるのですが浮遊感が減ってしまうので、あまりオススメしません。
色付きでも少し薄いものの方がまだ浮遊感があります。
下に挙げるステージボール、リジッドボールに比べて、ずっしり重いのでバランスは取りやすいです。
ただし、重いので凶器になりえます。
コンタクトジャグラーあるあるとして、あぐらをかいて練習しているとくるぶしの上に落としてしまってめちゃくちゃ痛いというのがあります。
私は固定電話の上に落として、破壊してしまったこともあります。
傷つきやすいので屋外での練習にも不向きです。
一個しか持っていなかったときに、地面に落としてしまったときのショックは半端ないです(笑)
練習用と本番用を持つことをオススメします。
でも練習用だから傷つきまくってもいいやと調子に乗っていると、地面に落としてパッカーンと割れてしまうこともあるので注意してください。
シングルボールコンタクトジャグリングは100mmを、マルチボールコンタクトジャグリングは76mmをオススメします。
ブラックライトで青く光る「UV」と呼ばれるタイプと普通の透明の玉の「クリア」がありますが、ブラックライトを使わないのであれば「クリア」で問題ないと思います。
「UV」よりも「クリア」の方が安いです。
ステージボール
クリスタルボールは傷つきやすくて凶器にもなるという問題点を解決するボールとして、ステージボールがあります。
特に落としやすいボディロールを練習するのには最初ステージボールを使うことをオススメします。
ボディロール系の技をメインで行うコンタクトジャグラーはステージボールを使う人もいます。
価格も安いので、気軽に買うことができる値段だと思います。
ただ、透明ではないので浮遊感が減る、軽いのでバランスを取りにくいといった問題点があります。
ステージボールに慣れてしまうとクリスタルボールが扱いにくくなってしまったり、その逆もあったりするので、
どちらをメインで使って行くのかは決めてしまった方がいいです。
クリスタルボールをメインで使うのであれば、ステージボールで転がす感覚に慣れてきたら、クリスタルボールで練習する時間の方を増やすという使い方がいいと思います。
ボディロールの新しい技を覚えようとするときにはまずステージボールを使うことをオススメします。
リジッドボール
ステージボールは軽すぎてバランスが取りにくいという問題を少し解決するボールとして、リジッドボールがあります。
リジッドボールはステージボールよりも少し重くてバランスが取りやすいです。
軽い順に書くと「ステージボール<リジッドボール<クリスタルボール」となります。
ただし、リジッドボールの価格はステージボールよりもかなり高くなります。
価格の安い順に書くと「ステージボール<リジッドボール<クリスタルボール」となります。
ステージボールと同じく透明ではないので浮遊感は減ってしまいます。
ステージボールを使うかリジッドボールを使うかそれともクリスタルボールだけを使うかは好みとお財布事情によって考えてみてください。
ライトアップボール
ライトアップボールは中にLEDが入っていてスイッチを入れると光るボールです。
夜の屋外パフォーマンスや室内で暗くできるところでのパフォーマンスのときに使うと映えます。
透明ではないので浮遊感は減ってしまいます。
シングルボールコンタクトジャグリングよりもマルチボールコンタクトジャグリングで威力を発揮すると思います。
最後に
コンタクトジャグリングに関しておおざっぱにまとめてみました。
私はマルチをあまりやらないので、情報が足りないところがあるかもしれません。
何か質問があればメールをください。(et.mikiya@gmail.com)
答えられる範囲でお答えします。
よろしければ毎月行っているマジック&コンタクトジャグリング教室にもお越しください。
懇切丁寧にお伝えします。
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